大雨の報を SNS で見ていて思う
異様に早く終わった梅雨を埋め合わせるように、中部圏より西の方で大雨が降っているようですね。
本来は、この大雨をもたらしている梅雨前線の北上をもって梅雨明けなのかもしれません。
で、 SNS で画像や動画を見ると。
ぽてちが大学生の頃までなら、浸水と土砂崩れの被災家屋が全国で数万軒の、死者数が三桁近いとか、なって不思議じゃないように思いました。
バブル崩壊以降に長く続いた莫大な金額のバラ撒きが、その効果を発揮している。んな印象を受けます。
(日常で感じるのは、どこへ行っても道路が過剰なほどによく整備された事)
少し気になっているのは、林野庁の皆伐方針と新設の伐採補助金で禿げた山肌が、その下流域にどの程度の影響を与えているのか。
当然、保水力が落ちて、集中増水や土石流が発生しますから。鉄砲水のような激症被害や洪水が発生しなくても、上流ではダムや防砂堤防が埋まって巨額の建設費がかかり、下流域でも河川と港湾の浚渫費に影響があるはず。
ところが土砂も止めればよいというものでなくて、止めると沿岸漁業の資源衰微に繋がるとの話しや、海岸の保持に莫大な建設費が必要になっているという話しもあります。
補助金頼みの伐採目的で無理矢理つけた急造の短絡林道が、半年も経たずに崩壊し始めているなんて話しを見るし。
同時に、出荷に適した樹齢を迎えた木は切って次を植えていかないと、手つかずになって山を荒廃させる。なんて話しもあります。(伐採補助金はここが目的のよう)
投下した資金が一巡するまでの期間が数十年にも及ぶ林業と、国土の保全と。すなわち災害対策と。
「落としどころ」探りも簡単な話じゃありませんね。
幕末は、全国で禿げ山だらけだったそうですよ。
戦国の世が終わった頃の人口が、だいたい 2,000 万人。大きな戦乱が無く治政が安定していた徳川期に、超高密度化した食料生産で扶養できるようになった人口は、だいたい 3,300 万人。
全国を禿げ山だらけにしてぎりぎり生きていけたのが、だいたい 3,300 万人ということですね。
今は幕末の 3 倍以上の人口で、幕末とは比較にならぬほど豊かで衛生的な生活をしています。それを維持していく「落としどころ」探りは、徳川以前とは比較にならぬほど難解な問題であることが間違いありません。
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