関西電力「黒部ルート」見学会に参加!
なんでまた、唐突に富山・金沢方面へ行ったのか。
理由は、関電の「黒部ルート見学会」に当選できたから。ヽ(゚▽゚)ノ
となったらもう、万難を排して行かねばなりませぬ。世紀の難工事だった黒部ルートを見学できるのだもの。
高熱隧道っす、高熱隧道!
掘削当時は 165 度もの高熱に晒された現場。猛烈な量の湧水と岩礫で掘削がままならなくなった現場。
そして現場を目にすることは叶わなかったけど、大きな宿舎が泡雪崩で 600 m も吹き飛ばされ対岸の大岸壁に叩きつけられたなんて、信じがたいけど本当に起こった惨事で、 80 名以上が亡くなる大災害が起こった険しく激しい峡谷。
高校生の頃に吉村昭の『高熱隧道』を読んで、叶うことなら一度訪れてみたいと思っていたところです。
もちろん、抽選による人数限定見学会の外は一般公開されていません。
ダム群や水路、黒四発電所やルートそのものを維持する保守・復旧作業のための、プロが働く重要施設です。
黒部峡谷の激しさと、当時こんなところを建設資材背負って歩いたの?!と思う『日電歩道』や『水平歩道』の写真は、この blog 記事を見てもらえると。
下調べをしていて検索にヒットしました。本当に激しいところです。(^^;)
上にアップした図、リンクを辿っても図が出てきますが、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車終点になる欅平から、立山黒部アルペンルートの途中になる黒部ダムまでが、関電「黒部ルート」です。
ルートは乗り物に乗っているばかりで、楽ちんだったんですけどね。
わずかに歩いた感があったのは、黒四発電所の見学中くらい。階段があったから。(笑)
ということで、リポートいきます!
欅平駅2階に 09:20 までに集合せよ。そのため、宇奈月発 07:57 のトロッコ列車に乗るべし。
ということになると、当日中に東京を出たのでは逆立ちしても間に合わない。
前泊するとして、どこ?
魚津や電鉄黒部のあたりには宿があるだろうけど、そう居心地のよい良い宿があるとは、ちょっと考えにくい。ならば富山市に?
とすると、間に合うのは富山発 05:17 の列車のみ。とすると、考えている宿を出るのは 04:45 くらい。バスや市内電車がまだ無かろう。(^^;
仕方ない。きっと高いだろうけど、宇奈月温泉に泊まるしかない。(^^;;;
ということで宇奈月温泉に泊まったわけですが、とても運がよいことに、宇奈月温泉なのに1人泊が可能で安く済む宿を見つけられました。
ちょっと危惧していたけど、それは杞憂。豪華設備じゃないけど、部屋も大浴場も清掃が行き届いていて、居心地の良い宿でした。
宇奈月温泉に前泊としたことで、前日のうちに欅平までトロッコ列車を往復して偵察済み。異なるのは、関電が予約手配してくれた車両は窓付きの特別車両だったこと。
手前が普通車で、奥が窓付きの特別車。
これは正解ですね。雨天の可能性もあるのだから。普通車で雨が降ったら、真夏になるまでは寒くて濡れてイカンと思います。
前日の偵察時、晴れで予報最高気温が宇奈月 29 度、黒部峡谷(たぶん欅平)が 26 度。
半袖で普通車だと、車両の前端に座って風にあたらぬようする必要がありました。(駅務員に訊ねて、もらったアドバイスが正解)
ちなみに、前日の一往復で2時間 40 分も乗車済み。もうお腹いっぱいでした。(笑)
背もたれがある特別車は、比べて楽だなと思いましたけど。
信号停車中。まだ出発して間がなくて、トンネルが素掘りではありません。こんな綺麗なトンネルは、出発してすぐだけです。
3度目の1時間 20 分はさすがにお腹いっぱいで、背もたれがあるのをいいことに、途中から寝ていました。(笑)
集合地の欅平駅2階レストハウスで、受付と、荷物&ボディチェックと、事前説明がありました。
何らかの破壊活動があると即座に人死にに繋がりねない危険な山岳地帯で、日本の経済・社会を支えるエネルギーを供給し、守る施設。チェックは当然だろうと思うたです。
事前説明を終えてトロッコ列車へ。
時刻表には当然なくて、長いホームの奥から、さらに奥へ向かう。
乗車の際、冬期歩道を覗き見させてもらえる。
トロッコ列車が動けぬ冬期に、宇奈月から歩いて登るためのトンネル歩道だそうな。
ちなみに、積雪は3 m になるそうです。
で、トロッコ列車に乗車し、奥へ。
工事専用の軌道ですから、工事従事者も乗っています。前の車両がそう。
これはとても短い乗車で、縦坑エレベーターに乗り換える。
有り難いと言うか、申し訳ないと言うか。見学者一行を先に乗らせてくれて、次を待つ工事従事者の方たち。
200 m を一気に登るエレベーター。
到着して上部専用鉄道に乗車する前に、横坑を出た展望台へ向かう。
実は、この展望台までは指定旅行会社限定で見学ツアーをやっています。
右に写る岸壁が奥鐘山の大岸壁の一端じゃないかと思う。
次はちょっとアップ。
方角がよくわからなくなっていたんだけど、後に地図を見たり絵図を見たりして考えるに、アタリらしい。
例の、泡雪崩で起こった大惨事で、大きな宿舎が 600 m も吹き飛ばされて叩きつけられた岸壁。その一端。
こちらの左端にうかがえる谷間は、前日に歩いて向かった祖母谷(ばばだに)らしい。足が攣ってきてしまって、祖母谷温泉までの 2/3 くらいで戻っていますけど。(^^;
短時間の見学後、いよいよ本番。上部専用鉄道で高熱隧道へ。
これがトロッコ列車よりずっと狭い。(^^;
10 人が、肩を寄せ合い膝をつき合わせ、ノンストップで走っても 32 分。(笑)
先頭の牽引車はこう。
係のおとーさんがたくさんの写真や図で詳しい説明をしてくれて、長い乗車時間を飽きさせぬようしてくれる。
写っている絵は、 165 度の高熱に晒されつつ、背後から水をかけながら掘削を続けた図。
今は 40 度ほどだそうです。そろそろだと、「カメラのレンズ、大丈夫かな?」と危惧しつつ扉を開けるおとーさん。
で、当該部分で停車。もわ~んと熱気が入ってきて、硫黄の臭い。
下車できたわけでないから、チラリ見て、あっと言う間に通り過ぎた印象です。
通り過ぎたらすぐに、上部鉄道の終点。仙人谷駅に到着。駅と言うても、仙人谷にかかる鉄橋の上なんですけど。えらく高い。(^^;;;
ここからの眺めが
深いっす。(^^;;;
欅平にある黒部川第三発電所のために、このダムを建設した。この建設ための日電歩道であり高熱隧道であり。数々の惨事を乗り越えた。
あらためて思うたですよ。よくまぁ、こんな険しい山々の隙間をぬう激しい峡谷の奥深くに、発電所やらダムやら作る気になったものだ、と。(^^;;;
下流側はこう。
前日も思いましたけどね。そこら中で、いつも落石や岩盤崩落や雪崩で、いっつも保守作業と復旧作業をしている峡谷です。
なんでまたこんな所に? と。(^^;
鉄橋を渡り終えると、そこは黒部川第四発電所。
なんと、険しい山の地下にある。
施設見学の前に、 VTR を活用した説明あり。
激しいっしょ? (^^;;;
真ん中は『日電歩道』というやつです。岩盤をコの字型にくり抜いたり、岩盤に鉄杭を打ち込んで丸太を渡して歩道にしたやつ。足下は数百メートル、と。(笑)
2年くらい前から無人運転だそうです。
黒四の見学後は、やはり地下トンネルの「インクライン」なる乗り物で標高を一気に 500 m も上げる。乗車時間も 20 分もある。
画面の左端。おわかりになりますでしょうか。凄まじい急傾斜。(^^;;;
やっぱ変!です、ここ。(笑)
乗り込むとき見上げると
この急傾斜だと壊れて落ちたら粉々に粉砕されるな~とビビっていたら、壊れたときの脱出段取り説明がある。(笑)
ちなみに「インクライン」とは要するにケーブルカーで、人間用でなく荷物用のものを指すとのこと。
今は極端に大きなものを運ぶことがないから、台車に人間用の箱を載せてあるとな。
時間がちょっと押していたため、さっさと最終乗り物のバスに乗り換える。
10 km 40 分の間に標高を 150m 上げるだけ。ほぼ水平。かな?
ここに動画を初めてアップロードしてみました。 34 秒と、短時間です。上手く再生されなくてもご容赦。
もうすぐ着こうという頃、バスが分岐で停車。また横坑からの展望台へ。
ガスっていなければ剱岳の鋭鋒が見えるとか。上の方が雲に隠れていました。
ちょびっとだけアップ。
トンネル内の湧水が横坑から放出されていました。もの凄い水量です。
「黒部ルート」見学の間、望遠ズームをつけたもう1台をリュックから取り出す余裕はありませんでした。まったく。(^^;
その代わり首から下げていた標準ズームの1台にクリップオンストロボをつけて、適宜使っていました。
Nissin Japan の i40 というもので、小型な割りには出力が大きい。こういう旅に最適かも。
普通はなかなか持って出ないのですけどね。トンネルの旅がわかっていましたから。
で、最後の最後のひと乗りです。
すぐに黒部ダム駅に着く。ここは扇沢から上がってくるトロリーバスの終着所です。
駅構内でヘルメットを返却し、解散。予定ぴったりの 12:50 だったかな。
関西電力さん、担当していただいた皆さん、ありがとうございました。
この後は普通の観光ルートとなっている立山黒部アルペンルートをたくさん乗り継いで、室堂を超えて立山駅に下り、富山市を目指しました。
富山ではもう 20 年にはなる車なお友だちたちと夕食を一緒する予定があったため、ちょいと急ぎ。
一人とは 15 年ぶりくらいになるので心は一目散。富山市へ。(笑)
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