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2014.02.12

続、万年筆(5)ペンクリニック乱入

  

 先々週の土曜日のこと。だいぶ眠くはあったのだけど、思い切って動かないと丸一日寝ていて終わってしまうので、車で出かけました。

 行く先のアテは、セーラーのペンクリニック。開催地は静岡県静岡市

 ペンクリニックを目あてにわざわざ行く距離じゃないと思うんですけどね。頭はそう言う。でも、そこはまぁ、ぽてちだから。(笑)
 片道 185 km で、15 年前に何度も何度も往復した兵庫県との 1/3 にもならないし。晴れた陽射しの下で ぼや~っとドライブするリラクゼーションを兼ねる、ということで。

 そう。車やバイクで日常と異なる景色を見ながら ぼんやり流していると、ド~ンとリラックスできるんです。半分以上、これが目的でした。v(^_^)

   

 運よく、首都高速も東名道も渋滞なし。混雑すら無し。順調に進行しました。

 みんな順調だから・・・ 静岡県警高速隊が、お客様感謝デーご商談キャンペーンをやっていた模様。
 足柄の手前で。裾野 IC 出路で。計3件の商談を目撃しました。(^^;)

 3件中2件は軽自動車です。 100 km 制限区間で捕食されるって、その速度は・・・ う~ん・・・(^^;;;
 もう1台はハイブリッド。燃費がよい分だけ踏んで速度を出しますか。う~ん・・・

 税の優遇って、やっぱじゃね? とか考えつつ、身重なファミリーカーのハンドルを握り、商談に至る可能性がまったくない速度で淡々と進行。

 ちなみに大鳥居くん、い~ GT に変身しました。ハンドルもアクセルもブレーキも、不感帯が無くなって感じて、色々な操作が一発で決まって修正せずに済みます。流していて、楽ちん楽ちん♪
 どうして初めからこの設定にしないのだろう? とても不思議です。(^_^;)

   

 静岡では、お昼を有名な『丁字屋』で とろろにしようと考えていました。が、休憩で寄った愛鷹 PA で匂いに釣られてしまいまして。(^^;;;

 桜エビ天そば ¥530- なり。

 遅めの朝もしっかり食べていたし、これでお腹いっぱい。ペンクリニックの大混雑もあって、『丁字屋』を断念することとなりました。(^^;

 ペンクリニック会場近くの駐車場に入れたのが 13:00 直前。昼の休憩時間が終わる頃で、順番を待っても 14:30 くらいに終えて出られるかな?と期待していたのは大甘だった。受付をしたら、15:30 くらいになるとのことです。

   

 遅くなっても「丁字屋」に行ってみるか?とか、戻りに薩垂峠に寄ってみようとか、即座に終われば由比の新幹線撮影ポイントを偵察してみるのも悪くないとか、だいぶ怪しくなりました。

 日本橋三越や丸善のフェアではかなり混むと予想して、静岡までやってきた。んが、静岡も大都市ですからね。ニッチな趣味イベントが混んでも不思議はない。仕方ありません。

 さて、どうやって時間を潰そう? 静岡市周辺の知識も情報もないし、車で離れるには待ち時間が半端です。
 会場すぐ近くを廻って、写真でも撮ってるべ。その後、喫茶店で一服しながら PC パチパチやっていれば程なく 15:00 を回るべ。と、せっかくの初訪問都市なのに、こういう時の「いつものパターン」になってしまうのでした。(^^;

  

 ということで、いったん外へ出てウロウロ。静岡鉄道の駅へ行ってみて、静岡県庁や静岡市庁を見て、駐車場近くのドトールで PC パチパチ。

   

  

 15:30 前に、会場に戻りました。

 15:30 に順番がやってくるとは思っていませんでしたけどね。けっきょくえらい待ちまして、順番がやってきたのは 18:00 でした。戻ってからも2時間半待ったんですね~。(^o^;)

 特設のパイプ椅子に座わらせてもらって、待つ間用にと用意されていた万年筆ネタのムック本を読みながら待つ。待つ。待つ。待つ。待つ・・・
 しびれが切れてきましたが、「ここまで待ったらあきらめられない。明日も休みだし、遅くなってもとことん待つ!」と、辛抱々々。待つこと、だいぶ苦手なんですけど。f(^^;

 店内で待っている何人かが待ちくたびれてきた様子をお店の人が見かねて提案。なんと!、名人持参のペンを試筆させていただくことができました。\(^◇^)/

 すんご!貴重な、まず滅多にない体験をさせてもらえたんですね~。(^o^)

# 貴重な体験と言えば、例の梨ジュースを飲まなきゃな。(笑)

 猛烈に柔らかな鍛造のペン先のもの(非売品)から超極細の細微研ぎ、セーラー復刻の長刀研ぎ、3枚重ねのエンペラーやらミュージックなどなど、あれこれ。
 もちろん、名人がバッチリ調整した極上の状態にあるものです。

 中でも感嘆したのは、名人が B(太)から削りだして EF(極細)に仕上げた『プロフィット』の書き味でした。
 非常なる細線で、間違えると「カリカリ」感がでてしまうのだけど、きちんと動かせば豊富なインクで細い線がスルスル。くっきりと、ず~っと、細い細い線がスルスル続く。

 インク量が豊かなことから、極細の尖ったペン先突端でも筆圧低く書けば紙あたりのタッチが悪くない。スルスル~。
 小さい字で書く手帳や小さな字で書く手紙に最適だろうと思いました。

 なるほどね~。ガリガリしやすい極細でも、名人の手が作り上げると気持ちよい幸せなもの♪になるのねん。(^_^)

 どんな道でも、とことん行った人が作り上げるものは凄い。感嘆しました。(^o^)

 店の人の言葉の端から察するに、その場でペンを買って名人に頼み込めば、同じにやってくれそうな雰囲気でした。

 んが、あまりにも「せっかくの機会」なんだけど、ぽてちは極細の使い道がないんですね。あらためて探すように考えても、無い。
 予定帳は完全に電子モノへ移行してるし、セーラーは F(細)でも十分以上に細い線で、雑記メモには細過ぎるくらいだし。そこまで思い切れず、不動。待ちを続行しました。(^^;

 待ちの3番目になったときからカウンター席について、名人の作業をしげしげと眺めて待つこととなる。

 特殊グラインダーで少しずつ削っています。ちょっと削ってはルーペで見て、再びちょっと削って、ちょっと書いてみて、また削って、またルーペの繰り返し。
 使っていた工具はグラインダーと金磨き布だけ。素人が見ていて何かを学べるようなものではありませんでした。

   

 へぇ~と思ったのが、前の前の人と、前の人。

 前の前の人は大学生くらいに見えて、当日に買ったペンを微妙に仕上げてもらっていたようです。だいぶ強い書き癖があるとのことで。
 名人は快く受けて作業に入り、「どう?」「うん!」と言わせてました。

 見ていて、今どき若い人が万年筆を使うなんて珍しい。そして、買ってすぐに微調整をしてもらえるなら、安心して買えるよな~と思いました。

 すでに筆記具の中心から降りて概ね趣味のものとなっている万年筆には、その良さを求めたい。すると、製造のバラつきや個人の癖・好みを吸収する『仕上げ』がないと買いにくい。と、逆のことも思った。

 とは、趣味のものであると同時に、あくまで実用の道具でもありますからね。使っていて不快感があるようでは、実用の道具として価値が低いだけでなく、趣味のものとしての立場もありません。
 収集するだけで使わずにいる記念品的一本なら別ですけどね。

 工芸品の空気も漂って感じるセーラーのペン先が、熟練の手による『仕上げ』で我が手に合う『名品』になれば、生涯の友にもなり得ます。
 セーラーと名人は、素敵な取り組みを続けていると思いました。


 さて、真に驚いたのが、前の人。(^^;)

 お店の人たちの言動から、前の人は店の常連さんであると思った。体格・風貌とお店の人たちの言動、そして本人の言葉からして、高校2年生か3年生だと思った

 高校生が Pelikan スーベレーンを2本(1本はスケルトンで、スーベレーンでなかったかも)持ち込んできていて、他社のも2本持ってきてあったらしい。
 高校生が万年筆を使っていることも、それがスーベレーンであることも、たいへん珍しい姿だと思いました。万年筆は、文系科目のノート筆記に使っているそうな。

 その後、名人やお店の人たちとの会話から、なんと、中学3年生だと判明。

 さすがにお店の人たちも驚いたようです。ぽてちも驚いた。(^O^;) 彼、いい体格をしていましたからね~。
 咄嗟に思い出したのが、早稲田高等学校の入学式に向かう新入生たちの姿。「今頃に卒業式か?」と思ったくらい、みんないい体格をしていました。世の中、発育優れて大きくて、なおかつ年齢以上に大人びて見える子がいるものなんですね。(^_^)

 で、中学生が万年筆です。中古で入手したとは言え Pelikan スーベレーン。本格志向じゃないですか~。

 今どきカルテも電子化が進んでいて、将来の仕事で毎日大量にさっさか書くことは、なくなりつつあると思います。ましてカルテ書きなら、 M(中)くらいが世のならいだとも思う。親御さんの方針で「今のうちから慣れさせて・・・」というのとは違いそう。

 若い頃から『よい物』に肌なじみをさせておく、ということなんですかね~。

 小遣いの範囲で好きにやらせている。そう考えるのが妥当かな。でも、中学生が Pelikan スーベレーンを知っているとはね。そこはやはり、親御さんの影響でしょうね。

 依頼内容は、2本ともセーラーの F(細)相当への削りだし。名人は「もったいないと思うよ」と、3度くり返していました。

 が、本人の希望揺るがずとのことで、「では、しばらくぶりにやりますか。ガッツリと。しばらくぶりだな」と作業に着手。さすがに時間がかかる作業だったようです。

 (続く)

 
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