続、万年筆(6)長原スペシャル
5時間待って、ぽてちの番がようやく到来。\(^O^;)/
調べて調べて「これだ!」と見込んだセーラー万年筆 21 金ペン先の F(細)。そのインクの出方がイマイチ希望に沿わず、針葉樹の葉のゴミの山。(笑)
ペン先突端の紙あたりも抵抗が強めで、書いていると疲れるし、ときにザリ☆っと紙を引っ掻いてしまう。
書いて書いて書いて試して、「まず、インク量が不足気味なんだな」と断定。インク量の不足が原因の大半を占めるけど、ペン先突端の仕上げもやや不足しているように感じた。
理想は、20 年以上も前に削ってもらって、ちょっとずつ使っていたらある日大変身していた Meisterstuck 146 のそれ。(ほんのちょびっと、自分で手を出したことは認める。(爆) )
くっきりと安定した細線が なめらかな紙あたりでスルスル続く。筆圧が低くても線が不安定にならず、書いていて疲れず、スルスルが気持ちよい。線の太さも好みのピンポイント。
我が 146 は、いつの間にかそんな1本になっていた。(尾軸が外れて修理に出したらインク流量が減って「ちょっとな・・・」になりましたけど。(^^;) )
二匹目のドジョウを、手が求めるわけです。(笑)
146 とセーラーのペン先と、タイプが違うことは理解しているつもりです。でも、タイプ違いなりに「これくらいにまでは、なるはずだ」のターゲット像が頭と手にあって、その像とけっこう違っていたんですね。(^^;)
セーラーの 21 金ペン先が持つ味わいが、本来の繊細さでなく神経質さや不安定さになってしまっているよう感じて、ある種のじゃじゃ馬暴れん坊。備えているはずの、優しいタッチも表に出てくれない。
書けば馴染むか?と、書いて書いて書いて試していて。ある時、たまったイライラを抑えきれなくなって、つい自分でいじってしまう。(火暴)
当然のことながら上手くいく訳がなく、もちろん大失敗。何度も手を出しているうちに、事態、もはや収拾不能。
使い続けていけば馴染んで良くなる可能性があると思うんですけどね。イラチなこの性格、本質的に、万年筆に向かぬようです。σ(^^;)
そんなペン先を、名人に救ってもらいました。
仕上がりは、さすが、お見事なり。すんごいものでした。
吊しの Meisterstuck 146 と 149 (EF)の太っとい線に目なれた ぽてちには、セーラーの 21 金ペン先 F(細)は吊しで「極細」認定相当で、それも繊細なタイプだったりします。
だから「万年筆で字を書く」気で机に向かわないと、そうでなくペン先に気を配れぬ状況で無意識に書くと、速度も筆圧も高くなって繊細なペン先を壊しそう。壊れるまで行かずとも、先を歪ませて調子を悪くしてしまいそう。
加えて細線ペン先は、セーラーに限らず、ある程度以上に細いとよく紙を掻いてしまう。ザリッ☆ガッ☆
尖った突端と紙との抵抗があって、タッチも悪くなりがち。手が疲れがち。カリカリカリカリカリカリ・・・
仕上げ不十分だと筆記速度と勢いに負けて、時にペン先鳴りまで起こることも。ペチッ☆パチ☆
細字って、ペン先突端がだいぶよく仕上がっていてインク量も多くないと使いにくいものなんだな~と、今さらながら発見してみたり。
そんな F(細)ペン先でも、急がず落ち着いて、奴めが望む角度と向きに迎合してやって、筆圧を低く紙を撫でるように書いていくといい具合。
これがセーラーの 21 金ペン先だと、「軟」でなくても繊細な優しいタッチで気持ちよいんですね。気難しい F(細)にしては手が疲れずに書ける。工芸品のようだと書いている理由の一つだったりします。
突き進む戦車のような盤石感を伝えてくる Meisterstuck 146 と、タイプが全然違います。
でもね、気持ちよいのは紙を撫でるように書いても十分な量のインクが出て、期待する線になってくれるとき。
思うような線になってくれないと、一転、ものすごくイラつくわけです。抵抗が強くなるし、ひっ掻きも多くなる。さらなるインクを期待して、筆圧が高くなっていく。すると悪循環。(^^;
イラついて我慢できなくなって、つい手を出してしまう訳。v(^^;)
名人が削って直してくれたペン先は、セーラー F(細)の、ぽてち的「極細」な細線が戻ってきていて、なおかつインク量が十分で多すぎもせず、線が前より安定していました。
落ち着いて書けば、とても気持ちよいペン。大変身です。
真っ直ぐに立てて、小さ~な丸を書いてみて。・・・何これ?!
細字はインクが渋いと言われるけど、本当は違うんですよね。うん!うん!
よいと思ってくれたら、セーラーにはこういう人間がいると宣伝しておいて。(笑) うん!!!(笑)
すごいわ~。名人、すごいわ~。(^O^)
ということで、静岡まで行った甲斐がありました。5時間も待った甲斐がありました。
長原スペシャル。これは自分的家宝かな、と。永く大切にしていきたいと思います。(^_^)
もっとも、ぽてちが日用の筆記具として使うには、線がちょい細過ぎ&ペン先が繊細すぎることもわかりました。
細線好きの ぽてちにそう思わせるのだから、セーラーと長原名人、すご過ぎっす。(^o^;)
セーラーのインク「青墨」は色味がきれいで濃淡も美しくて気に入りました。が、サラサラで、細字だとタッチがイマイチ。紙を掻きやすい。淡めの色が、細い線をさらに細く見せる。
対策として紙あたりのまろやかさを狙い、 MONTBLANC の Royal Blue を入れてみた。結果は狙い通り!
だったのだけど、線がさらに細くなってもうた。(火暴)
紙の質にも依るんですけどね。セーラーの 21 金ペン先は、 FM(中細)がいいのかもしんまい。セーラーに限らず国内メーカー3社、あーたら突き進み過ぎ!(笑)
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