バイクの冬に思う(1)
Collection Hall
Nikon D3,AF-S VR 24-120mm F3.5-5.6G
暑い・寒い・濡れる・汚れる・倒れて怪我をする。バイクってのは、快適な車と比べると実にたいへんな乗り物です。自転車と比べても、免許が要る・交通取締りが行われて責任を問われやすい・重い・費用がかかる・倒れたときの怪我が大きい・ぶつけたとき責任を問われやすい等、やっぱりたいへんな乗り物でしょう。
しかし思う。かかる費用や扱いが車ほど大がかりでなく、自転車より格段に高い移動性と可搬性を持っている。ビジネスの道具として、生活質を高める道具として、大いなる素質を持つ乗り物ではないでしょうか。
1億2千万人近くもいれば、車でなく自転車でなく、バイクにかかるコストとバイクの持つ利便性が丁度どよい落としどころだと感じる人もたくさんになるはずです。
ところが、雑誌記事に拠れば、お寒い限りの売れ行き状況だと言うではないですか。
町の道路を見ていても、スクーターやカブを含めてバイクは少なく感じられます。1億2千万人近くもいるんだから、乗る人がもっといておかしくないはずなのに。なぜなのでしょう。
多くの事柄において、中途半端なものは徐々に減り、はっきりとしたものへと分かれていく。それもわかります。経済的に大繁栄を続けている豊かな日本では、自動車と自転車があれば足りる? そうは思えません。数百円のマクドナルドか、3000円のランチか、似たようなところがありますが、世の中では 1000円~2000円のランチだって健在ではないですか。1億2千万人の規模にふさわしいと感じられる数のお店を見かけます。
バイクがこれほど少ないのには、何か理由がありますよ。かかるコストと得られる利便とがバランスしてないから使われないのであって、コスト構造にゆがみがあるからバランスしていないはずだと思います。(ここで言う『コスト』は金銭だけを指すものではありません。怪我や交通取締りで検挙されるリスク等も包含します。)
ゆがみについて、あれこれ脳裏をよぎります。まずは『原付』から。
50ccのバイク、乗る気になれます?
世の中に2L以上の車が増えて、3Lオーバーも普通の車になっていて。1.5Lの車でも 25年前の2Lに近い出力を誇り、それらがウヨウヨと急加速・急減速を繰り返している町中で。都心部でも幹線道路なら 70km/h走行は普通のこと。郊外では 70~80km/hの巡航はごく普通の光景でしょう。これが現実・現状です。
さらには、バイクが減った事によるのか、車の運転者がバイクの存在を気にかける度合いが減少しているように感じられます。バイクの存在を軽視していると感じられる車線変更をする人や、バイクの速度を誤認する人が増えているような気がしています。
50ccの原付バイクに乗る気になれるでしょうか。世の交通状況が上記のように変わってきた中で、スーパーカブが3.4馬力。トゥデイが4.1馬力。問答無用に制限速度 30km/h。低出力を根拠とした二段階右折あり。
実質的に、今の 50ccに期待できる仕事は、レジャーバイクではないでしょうか。
現在の交通状況では、経済的で便利な『庶民のための足』になり得て、『原動機付き自転車』として扱うべきバイクは4stなら 100ccあっていいように思います。
レースのレギュレーションでも、4stは2stの1.5倍くらいの排気量を認められることが多いのですから、かつての2st 50ccの出力に現在の交通状況を加味して、4stで 100cc。自分には、ひじょーに妥当なことだと思えます。
これが車の免許で乗ることが可能なら、空気を運ぶように車を乗っている人が低燃費の原付バイクへとシフトする可能性が出てくるのではないでしょうか。ランニングコストが低いことに加えて、数が出れば車両価格も下がることでしょう。より一層、庶民の足たる資格が増してきます。
風雨の辛さや汚れが気になる人は、ジャイロキャノピー100でご機嫌。
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