マイクロフォーサーズ(2)松下を思う
Nikon D3,AiAF 35mm F2D(Trimming)
高い感光性能を持つサイズで普通のセンサーを積んだコンパクト機が、やっと登場してくれそうです。それがレンズ交換型ときたんだから、嬉しいですね~。
気になる点はいくつかあります。まず、コントラスト検出 AFの速度。次に、使いものになる EVFが用意されるかどうか。小さくなると言ってもどの程度小さく? そして撮影可能枚数、すなわち電池持ち。最後に、いわゆるコンデジ風の、機能等インスタントカメラ的でチャチなものにしてこないよね?といったあたり。
始めの2つは決定的です。特に AF速度。これが位相差検出 AFに近いレベルであれば、個人的には世紀の大ヒット!でしょう。
そこらへんはまぁ、商品が実際に出てからでないとわかりませんね。
だから発表を見てマイクロフォーサーズそのものについて思ったこと。
画素数の多さやキャッチーな絵と低価格に走らなければ、かなり高品位なシステムを展開できるのではないでしょうか。無論、言わんとするところは「現代のライカ M」です。
理論的につめて性能と使い勝手の両立の理想を追ったと称するフォーサーズですが、この5年間の技術進歩で詰め切る先が変わってきているはず。十分に合格な性能を、マイクロフォーサーズで実現できると予測しています。
中高級一眼レフに匹敵する多彩な機能設定項目や設定幅を持った小型ボディと、小型のレンズをちゃんとそろえれば、かなりいいシステムができるはず。楽しみです。
ただ、ちょっと気がなりなのは・・・
マイクロフォーサーズを主導したのが松下のように感じられること。デジタル一眼マニアック等の Webで見てきたうわさ話から、オリンパス主導でなく松下主導で企画されてきたように感じています。もしそうだとすると、商品の仕様に非常に残念なところが出てくるのではないか?とか、数が売れる見込みが出てこないと「いわゆるコンデジ」に収束していっちゃうのではないか?と懸念されるんですね。とは、
ここ何年かの松下を見ていると、数が売れる見込みがある限りにおいては、動きが素早く、とことん要望に応えようとする。尋常なレベルじゃありません。他の事業部から要素技術をもってきて、アッと驚くようなこともやる。今回のマイクロフォーサーズも、発表を見た瞬間に「さすがだ。松下らしいなぁ」と直感した事例の一つになります。
しかし、如何せん DNAが総合家電の量販メーカー。要望にとことん応えようとしても、どこか最大公約数的な落とし込みの臭いが漂う面があると感じます。一言で言えば、趣味性の高いものが苦手。数を売る本流商品に加えて趣味性が高い商品も用意するのが大手の通例ですが、前者がとても得意で、後者はどうも苦手としているように見えます。
たとえば DMC-LX3。ステップズーム機能があって開始焦点距離をカスタム設定に登録できて、絵作りの彩度を抑えてあって、Richo Caplio GX100のような EVFもあったら、もう予約しているのに。(^^; あと一歩のところで突っ走らせてくれないんですね。(^^;;;
コスト感覚と売れ筋感覚に優れている証でもあるから、松下のいい面の表裏であるとも思っているんですけどね。利益が出ず事業として成立しなければ何もかも無くなってしまうわけで、利益を出してもらって事業を継続させてくれることが大前提ですから。
でも、合理的に考えれば無駄とされて「無くてもまぁいいじゃん」と言ってもらえる程度の『こだわり』ですら盛り込んでいく姿勢の継続こそが、趣味性や先鋭性の高さをもたらすもの。それが高いブランドイメージを構築していくものです。
松下にはどこかで殻を破って欲しいと思うし、マイクロフォーサーズで実現する小型のレンズ交換型システムがその端緒になったらよいと思います。本格的な中高級カメラシステムは、AVに次ぐブランドイメージ構築のいい機会でしょう。
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